機能拡充とグループ内外との協業で、 お客さまと店舗をつなぐプラットフォームへ
イオンスマートテクノロジー株式会社
iAEON推進ディビジョン ディレクター 2011年入社
香下 大樹
暮らしにまつわる多様なサービスを、共通IDでシームレスに
私が所属しているiAEON推進ディビジョンは、イオングループのデジタル戦略を推進するイオンスマートテクノロジー(AST)が運営するグループ公式アプリ「iAEON」を、より使いたくなるようなサービスにするための企画推進を最大のミッションとしています。具体的な動きとして、大きく二つの取り組みがあります。
一つ目の取り組み は、アプリ内のサービスメニューを拡大していくことです。現在は決済とポイントにとどまっておりますが、お客さまに新しい価値、便利、お得を提供するため、イオングループ外の事業会社さまとの折衝を進めています。現在は大手保険会社さまが提供している健康増進プログラムとのサービス連携(リワードパートナー)をはじめ、業界を越えたさまざまなパートナー企業さまとの協業を進めています。
とはいえ、サービスラインナップだけを闇雲に拡げても、それぞれ別の会員IDが発行されるようでは、お客さまにとって便利さより煩雑さの方が目立ちます。iAEONが目指すのは、イオングループのさまざまなアプリ・サービスを共通IDでシームレスに提供していくこと。
イオンの強みである実店舗でのお買い物を中心として、今後はECサイト等を使ったオンラインショッピング、レンタカーや旅行の予約、銀行口座の管理など、毎日の暮らしに関わるあらゆる行動が1つのアプリ、1つのIDで完結できるようなゴールイメージを描いています。
iAEON浸透へのキーは、グループ約300社への横展開
iAEON推進のためのもう一つの取り組みは 、イオングループ各社に対するiAEONの認知度向上と導入支援です。なかでも、現行アプリのメイン機能であるグループ独自のコード決済サービス「AEON Pay」に注力しています。
イオングループは、お客さま向けの実店舗をもつ事業会社が多いという特色があります。
AEON Payが浸透することによって、グループのキャッシュレス決済比率を高められるだけでなく、お住まいの地域の店舗でお客さまにiAEONを知っていただき、身近さやお得感を感じていただける機会創出にも繋がると考えます。
もちろん、300社を超えるイオングループの全てにiAEON導入を進めることは、そう簡単なことではありません。各社で事業内容や地域が異なり、すでに個社で独自のWebサービスやモバイルアプリを運用しているケースも多いため、新しいiAEONと調和を図るためには、それぞれに細かな議論や調整が必要です。
そのため、iAEONをより使いたくなるアプリにしていくには、サービスメニューの拡充と同時に、グループ各社との協力体制の構築も欠かせない状況です。一体となった取り組みで加盟社を増やし、お客さまから見て「あのお店もイオングループだったんだ」「あのお店でもポイントが貯まるんだ」と認識していただけるようになれば、iAEONを利用するメリットをさらに感じていただけるはずだと信じています。
新しい組織から、グループ全体にイノベーションを
ASTは2020年に設立された、イオンの長い歴史を考えると非常に新しい組織です。私自身は現在のポジションに就く前までイオングループの別会社に勤務しており、ASTのベンチャー企業のような文化や、雰囲気の違いに驚きました。良いアイデアがあればすぐに行動に繋げられるスピード感に、当初は軽いカルチャーショックを感じたほどです。メンバーの大半がグループ内の公募や中途入社者で構成されていて、少数精鋭でありながらもASTのビジョンに共感するモチベーションの高いメンバーが多く、毎日が刺激的です。
当ディビジョンでは、イオングループ内外の経営者層や、各社が展開するサービスの決裁者に相対することが多く、新しいサービスを0→1で考える経験や、会社間の提携交渉に携わる経験を積めます。 組織の意向に埋没してしまうよりも、「この会社と提携してみたい!」などと自分の芯を持って、しっかりと意思表示できる方がフィットすると思います。良い意味でイオンの伝統に染まらない斬新な発想やアイデアで、グループ全体に新たな風を吹かせていきましょう。
※掲載記事の内容は、取材当時のものです。