DX of AEON

イオンのDX事業、人、文化

DX戦略

お客さまと向き合うイオンピープルのデジタル化が、グループの新たな可能性を切り開く

約56万人の従業員(イオンピープル)を抱えるイオングループでは、源流の一つであるジャスコや岡田屋の時代から、社員の業務スキルやマネジメントスキル習得のために、学習支援・教育に力を入れてきました。そんなイオンがいま取り組んでいるのが、アルバイト・パートを含む全従業員に向けたデジタル教育です。イオンピープルのデジタル化にはどのような狙いや思いがあるのか、「イオンデジタルアカデミー」や「イオンビジネススクールデジタルコース」、学習ポータル「イオンスタディプラットフォーム」など、グループのデジタル教育制度に携わる3名に話を聞きました。

プロフィール

青野 真也

イオン(株)人材育成部 デジタル人材開発グループ リーダー
デジタル部門と人事部門と密に連携し、グループ戦略を遂行するために必要なデジタル人材の育成、長期的に活躍できる体制を創出するための施策を実行している。

杉岡 大輔

イオン(株)ICT企画チーム
イオンピープル全体へのデジタル教育・研修の企画を担当。“デジタル人材を拡散する仕掛け“として、研修だけでなく大規模イベントを企画することも。

小寺沢 裕子

ウズ株式会社 代表取締役
イオン(株)のデジタル教育研修の発足時よりパートナーとして参画し、デジタルリテラシー研修をはじめとするコンテンツ企画・実施等に携わる。

イオンが取り組む、お客さまに向き合うためのデジタル教育

――皆さんはイオングループのデジタル教育にどのように関わっているのでしょうか?

青野
グループの教育制度であるイオンビジネススクール(ABS)は、従業員ひとり一人の「自分のキャリアは自分で切り拓く」という姿勢を大切にし、挑戦意欲のある人材が目指すポストに近づける教育機会で、業務やマネジメントなどさまざまなスキルを習得できるプログラムを用意しています。私はその中でも、デジタルコースの責任者を務めています。

ウズの小寺沢先生には、デジタルコースの発足時点から研修内容の開発や運営に継続してご協力いただいてきました。

小寺沢
私が代表を務めるウズ株式会社ではWEBコンサルティングや制作、セミナー・研修メニューのご提案をしています。2017年からABSデジタルコースの開発に参加し、ありものの研修ではなくイオンならではの考え方が身につくとともに、現場で役立つ講座の作成と運営を行ってきました。

青野
デジタル事業に関するイオングループの考え方や方向性も年々アップデートされています。「デジタルをどう活用していくのか」という理念も含め、研修内容のバージョンアップに尽力いただいています。

杉岡
私はABSとは別の教育制度である「イオンデジタルアカデミー」を担当しています。アカデミーの狙いは、イオンピープル一人ひとりのマインドチェンジと、グループ企業のカルチャー変革です。自分ゴトとして学び続け、具体的なOUTPUT(創造)をする「強い個」と、それを支える企業文化づくり。その為に「気づく」「学ぶ」「創る」という三つの場を提供します。

――デジタル人材の育成や業務のデジタル化について、いまどのような課題がありますか?

杉岡
技術革新や社会の劇的な変化が進むなか、イオンピープル一人ひとりが強い危機感を持ち、「誰かが考えてくれる」「変えてくれる」ではなく自分ゴトとして取り組むことがいま求められるマインドだと考えます。新たな創造が、グループのあちこちから沸き起こるような状態を、デジタル教育を通して生み出していく必要があります。

青野
社会もお客さまの行動も変化している中で、その変化に対応していくことが求められていますが、現状ではまだまだ「現場力」頼みなところが大きいと感じています。人材育成部がABSなどの教育制度で目指すのは『デジタル技術を活用し変革ができるデジタル人材』の育成です。イオンピープル全体がデジタル技術の習得による業務改革を進めなければ、取り残されてしまうと感じています。

小寺沢
毎年講座の内容をアップデートする中でも、お客さまと向き合う従業員の皆さんが身に付けなければならない知識はますます増えていると思います。イオングループはデジタル変革も含めて新しいこと、大きな取り組みにいち早く着手していますが、規模が大きいだけにそれが一人ひとりに浸透するのに時間がかかるのではないでしょうか。教育や研修の中でも、従業員の皆さんの危機意識は年々強くなっていると感じています。

お客さまのリテラシー向上に合わせて、デジタルは必須スキルに

――いま、現場で働く従業員の皆さんはどのような危機意識を持っているのでしょうか?

青野
お客さまにとってスマホやタブレットが当たり前になり、デジタルリテラシーが向上していく中で、従業員とお客さまとのコミュニケーションも変化していく必要があります。これまでのデジタルは「対応することでプラスになる・便利になる」というものでしたが、今後は「対応できていることが当たり前になる・普通になる」という価値観に変わっています。一定の知見を持つことは、お客さまサービスにおける必須スキルとなります。

杉岡
確かに、従業員がアプリの使用方法などをご案内できないことは、お客さまにとってストレスになりかねない状況ですね。一方で、従業員にとってもデジタルの知見を身に付けるメリットは大きいと思っています。現場で働くイオンピープルがデジタル技術やデジタルリテラシーを持てば、「こんな機能があったら良いな」や「こうだったら良いな」を自分の手で実現できるはずです。現場の業務改善によってできた余裕をお客さまの対応に使うことができれば、結果としてストレスなくお買い物をしてもらえるのではないでしょうか。

小寺沢
ABSデジタルコースを受講する方は「店頭での業務を改善したい」など意識が高い方が多い印象です。もちろん現場の従業員だけでなくいろいろな立場の方に受講いただいていますが、自分の仕事への向上心や「お客さまのために」という意識を持ってデジタルを学びにいらしている点は共通しています。

――従業員のデジタル教育施策で重視していることは?

杉岡
デジタルアカデミーでは、イベントの内容をポータルサイトでも公開し、より多くの方が「気づき」を得られるように進めています。同じ目的意識を持った方たちに学びやコミュニティを通してつながってもらいたいとも思っています。

青野
デジタル技術を身に付けたいという思いを持った従業員の数を増やしていくことが大事ですね。個人が学ぶだけでは、「自分だけでは変えられない」という壁にぶつかることもあるかもしれません。ABSではグループ社員による強固なネットワークづくりという意味で、「受講同期生」のつながりを強く意識し、修了後も関係性が維持できることを重視しています。

小寺沢
デジタルコースでは受講生によるディスカッションなどを経て、横のつながりが強くなるよう設計しています。実際、デジタル技術関する知識だけなら、興味を持った方が自分で学習できるものだと思います。集団で学ぶ以上、一人ではなくみんなで学び、それを宝物にしてほしいと思います。

「現場力」の強さで乗り切ってきたからこそ、新たな武器が必要

――イオンピープルがデジタルの知見を手にすることで、どのような変化が生まれますか?

青野
イオンは「迅速な実行力」があり、自治体との包括連携協定など大規模災害時の対応力・現場力として発揮されています。そのとてつもない現場実行力でお客さまのニーズに応えてきた一方「なんとかなってきてしまった」という面もあるんです。

杉岡
「現場力」だけで対応できる限界を迎えつつあることは、お客さまと接する従業員も感じているのではないでしょうか。だからこそ、現場がローコードやノーコードのアプリを作るなど、自ら手を動かして仕事を変えたい、業務を改善したいという熱量が高まっています。今までは使ってこなかったデジタル技術や技術を活用した解決方法を、高い現場力を持つ従業員が手に入れることで、これまで以上にもっと新しい価値を生み出していけるはずです。

青野
スポーツに例えるとフィジカルの強さでゴールを獲得してきたところから、さまざまなシュートや得点の手段を増やしていくというイメージですね。これから必要になるのは現場としての実行力を持ちつつも、デジタルの知見やデータを読む力を養い、察知力や洞察力(ハイパーアウェアネス)を磨いていくことだと思っています。

小寺沢
私がデジタルコースの設計に参加した5年前から、イオングループの皆さんの「会社愛」の強さを感じてきました。現在所属している部署や組織の業務改善や効率化をしたい、という熱い思いを表明される方や、現場でデジタルへの知見が求められている方、デジタル技術が必要となる環境で活躍したい方など、意識高く学ばれています。お客さまや組織を良くしたいと思いがあるからこそ、いま熱意がデジタルに向かっているのではないでしょうか。

――イオンピープルのデジタル化について、今後の目標や方針は。

青野
2025年にはデジタル人材を2000人体制にすることを目標にしています。そのために、多くの従業員にとってあこがれとなるような、トップランナーに登場してもらいたいですね。お客さまや現場が求める要求がわかった上で、デジタルの知見を持ち、総合力を伸ばしていくことで、真に必要とされる実践的なテクノロジーを生み出すことにつながっていくと思っています。

小寺沢
意欲のある方に教育の機会を提供すると同時に、企業がそれを踏まえて差配をし、一緒にデジタル変革を実現するという意思表示をすることも大切だと感じています。実際にABSを受講する従業員の皆さんは「イオングループで実現したい」という志を持っていて、会社がその想いに応えてくれるという信頼がありますね。

杉岡
デジタルアカデミーにおいては、2025年の目標に向けて“グループ横断の発想”、“生活者起点の商品・サービスを生み出す”人材の育成を目指しています。学びたい技術や実現したいことがある人は、自分で学ぶことも容易な時代です。だからこそ、私たちは「イオングループでお客さまに向き合う中でどのように実践できるのか」という視点を持った人材を育てて行きたいと思っています。単体ではなくグループだからこそ実現できるデジタル化を、そんなイオンピープルとともに進めていきたいですね。

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※掲載記事の内容は、取材当時のものです。

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