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DAISUKE SUGIMACHI

杉町 大輔
イオンモール株式会社
開発本部 近畿・北陸開発部 担当部長

都市科学研究科修了。まちづくりや観光について研究し、2007年にダイヤモンドシティ(現在のイオンモール㈱)に入社。2009年より開発本部に異動になり、ショッピングセンターの開発に携わる。イオンモール和歌山、イオンモール京都桂川の開業を担当。2015年3月には担当部長に昇格し、チームを率いて三宮OPA2やイオンモール神戸南の開業に携わった。※内容および社員の所属は取材当時のものです。

都市科学研究科修了。まちづくりや観光について研究し、2007年にダイヤモンドシティ(現在のイオンモール㈱)に入社。2009年より開発本部に異動になり、ショッピングセンターの開発に携わる。イオンモール和歌山、イオンモール京都桂川の開業を担当。2015年3月には担当部長に昇格し、チームを率いて三宮OPA2やイオンモール神戸南の開業に携わった。※内容および社員の所属は取材当時のものです。

イオンモールに見る究極のローカライゼーション。
賑やかな場所を生み出し
地域の一員として商売を続けていく。

ショッピングセンター開発は
教科書通りでは
通用しない世界。

転勤族の家庭に生まれたため、いろいろな土地で暮らし、風土や街の違いが面白いと感じるようになりました。それが、私がまちづくりに興味を持ったきっかけです。その後、私は大学でまちづくりについて学び、就職活動においてもディベロッパーや鉄道系の会社を志望。その中でイオンモール(当時はダイヤモンドシティ)を選んだのは、新しくできたショッピングセンターを実際に見に行き、その規模に圧倒されたからでした。イオンモールであれば、建物や沿線だけではなく、ショッピングセンターを起点にしてより広いまちづくりに携わることができると感じました。
入社後はまずショッピングセンターの管理事務所で施設管理や集客・売上増進に関わりましたが、転機になったのは入社3年目、開発本部への異動でした。ショッピングセンターの開発というのは、それまでの業務とはまったく違う仕事で、実務も法律もすべてが知らないことだらけ。ショッピングセンターは多くの人々の想いが密接に絡み合う場所であり、ひとつのことを進めるにも、教科書通りにはいかない世界だと身をもって痛感することになりました。

開発反対の声もある中で
どう想いを伝え、
心を動かすのか。

新しいショッピングセンターを開発する、あるいは既存のショッピングセンターを建て替え・増改築する際には、まず候補となる土地を探し、どのような商業施設をつくるのかを検討して、地権者と用地の交渉、並行して行政や関係機関との協議を行います。土地の契約や許認可を取得しながら、地域との調整を図ります。
中でも、特に重要なのは地域の方々の理解を得ることです。近隣にショッピングセンターができるという場合、地域の方々の反応は必ずしも前向きなものばかりではありません。昔ながらの商店街がなくなったり、地場の産業が打撃を受けてしまったり、という懸念の声もあります。ですが、私たちであれば電子マネーのご当地WAONを活用し行政等と提携した地域振興や、イオンリテールと連携して地場の名産品を他の地域や海外に向けて売り出す「地産他消」など、グループシナジーによって地域に貢献できることも数多くあります。また、人々の不安を解消するには、お金の問題ではなく、この地でどんなことをしたいのか、一緒に成長して生きたいという私たちの想いをしっかりと伝えることが重要。最後の方は、「私たちと一緒にやりましょう」と、ひたすらに夢を語っています。

イオンモール京都桂川の
開業は
土地の景色と価値を
大きく変えた。

今までに関わった物件はどれも思い出深いものばかりですが、イオンモール京都桂川はもっとも記憶に残っている仕事の一つです。2つの自治体にまたがる工場跡地の物件で、私は用地の契約から行政協議、近隣対応などを担当し、2014年10月に開業しました。ですが当初、土地には一棟の廃屋しかなく、周辺は田んぼが広がっていました。商業施設を新設することに様々なご意見をお持ちの方が多かったのですが、粘り強く話し合うことで理解していただくことができました。また、ショッピングセンターができることで渋滞が発生するという懸念もありましたが、道路管理者や警察本部とも協議を重ねて、渋滞対策を設計や営業・販促計画に反映させていきました。
結果、オープン後最初の日曜日には10万人を超える来店客を記録。当初は既存の住宅地と田んぼが広がる地域でしたが、マンションや医療機関も林立して様相が一変し、「住みたい街ランキング」でも上位にランクインする土地へと変わったのです。イオンモールの開業が、地域の価値向上に少なからず貢献できたことに誇らしさを感じています。

建物の完成が
ゴールではない。
地域の一員として、
長く商売を続けていく。

私たちが一般的なディベロッパーと違うのは、ショッピングセンターをつくるのが目的ではなく、そこで商売を続けていき、地域の一員になることをめざしているところです。だからこそ、私たちは災害時に緊急待避所としてショッピングセンターを利用できる協定を自治体と結んだり、ショッピングセンター内で地域のイベントを開催したり、地域の方々の健康増進のためにショッピングセンター内のウォーキングを実施したりと、地域との関わりを積極的に持つ「ハピネスモール」の取り組みをおこなっています。また、大規模なショッピングセンターだと2,000人以上の方が働く場所になるため、ショッピングセンター内に保育所を設けるなどして、テナントの方々も安心して働ける環境づくりに取り組んでいます。
ショッピングセンターは全国どこも同じような店ばかりだと言われることもありますが、実際にイオンモール内を歩いてもらえばすぐに分かるように、同じ店は一つとしてありません。それぞれ土地ごとの個性を出しており、究極のローカライゼーションだとも言えるでしょう。最近では、サーキット、アスレチック場、スケートリンクなど、体験、ふれあい、コト消費にも力を入れています。デジタルとの融合も必要ですが、場所(リアル)があるからこそできることを実現していきたいと考えています。国内でも海外でも同様ですが、ショッピングセンターの開発によって地域のお客さまに時代に合った「場」を提供し、そこを拠点に地域の発展やお客さまの幸せに貢献し続けること。それが、今の私の夢です。

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