PROJECT 05小売の原点である店舗の活躍に
スポットライトを当てる
ベストスキル大会の企画・運営。

イオンリテールの従業員が日々磨いている技術力や接客力を競う「ベストスキル大会」。スキルを称え共有することで、さらなるスキルアップとサービス価値向上、従業員のモチベーションアップを目指す取り組みだ。店舗内での選抜から始まり、各カンパニー(地区)での予選、そして全国へとつながる本大会は、出場・受賞した従業員にとっても誇りとなる大切なイベント。その成功に向けて準備に全力を上げた人材育成部のメンバーが、舞台裏を語る。

イオンリテール株式会社
人事総務本部 人材育成部
樋口 功

カルフールジャパンでデリカマネージャーや生鮮食品課長を担当、新店オープンを経験。イオンとの会社統合を経て2010年よりイオンリテールに入社。カンパニー教育グループマネージャーや店長を経験し、2022年からは本社人材育成部で実務教育と幹部教育を担当している。ベストスキル大会では全体のマネジメントを担い、大会を成功に導いた。

イオンリテール株式会社
人事総務本部 人材育成部
加統 裕美子

株式会社マイカルに入社し、レジマネージャーやカスタマーサービスマネージャーを経て、人材教育に携わる。イオンとの会社統合により2011年にイオンリテール入社後は、店舗で人事教育マネージャーを担当。2014年に人事総務課長を経験した後、2019年に本社人材育成部に異動し、2021年より実務教育を担当。これまで3度のベストスキル大会運営経験を持つ。

イオンリテール株式会社
人事総務本部 人材育成部
高田 万由

学生時代は大学で音楽教育を学び、人と関わる仕事がしたいとイオンリテールに2020年に新卒で入社。ホームファッション売場担当、売場リーダーを経験したのち2023年に店舗の売場マネージャーに就任。2024年からは本社人材育成部で実務教育を担当。ベストスキル大会では運営メンバーとして、他のメンバーと共に大会の成功に向けて力を尽くした。

01チームの団結力とモチベーションの
さらなる向上を目指して
店舗を総合的に評価する
「総合の部」の新設に挑戦。

樋口ベストスキル大会は何年も前から実施されていますが、今回は、個人のスキルだけではなく店舗の売上実績や売場づくりなども含めて総合的に評価する「総合の部」を創設しました。

加統はい。これまでは出場者の皆さんが個々に素晴らしいパフォーマンスを見せてくださっていましたが、店舗のサービスや売上の向上は、エース一人の力だけじゃなくチーム全員の力が発揮されて成り立つもの。プロジェクトメンバーと話し合う中で、「売場が団結できる仕掛けを作りたいね」という話になり、思いついたのが総合の部でした。

樋口初めての企画だったので、参加してくれる現場の方に内容や意図を理解してもらうまでは紆余曲折がありましたね。企画内容を練り直し、各カンパニーの教育グループの担当者に丁寧に説明し、現場に発信して。高田さんは最近まで店舗に在籍していたので、現場目線から大会のポスターデザインや店舗への発信方法を提案してくれたことが印象に残っています。

高田どんなポスターをどこに掲示すれば売場の皆さんの目に留まるか、現場のイメージはついていたので、そこは私が活かせる強みだと感じていました。ただ逆に、これまで店舗での勤務経験しかなく、大会の企画・運営は初挑戦です。総合の部が加わって例年とは違う点もあったので、なおさら店舗の方々に大会の意図や選考フローが思ったように伝わらず苦戦しました。加統さんをはじめ、チームの皆さんにどれだけ助けていただいたことか。

樋口ベストスキル大会運営経験者の加統さん、現場目線を持つ店舗経験者の高田さん、各カンパニーの教育担当者と、それぞれの立場から意見を出し合って形にしてくれましたね。おかげで、初企画にも関わらず現場からの戸惑いの声が想像よりずっと少なく、スムーズに準備が進みました。

02多様な意見を受け止め、
改善を繰り返しながら
大会の成功という一つのゴールに
向けて同じベクトルで前進。

高田準備で一番難しいと感じたのは、私がカンパニーの皆さんに情報提供や指示をする立場にありながら、大会未経験だったために本番を想像できなかった点です。私が思い描く進行と、皆さんの考えが違うことも多々ありました。ただ、一ヶ月前からリハーサルや打ち合わせの時間をたくさん設けていただいたので、経験者である皆さんの意見を吸収しながら変更、調整を重ねていけました。

加統実は前回は、私たちが思い描く企画をカンパニーの方にうまく伝えられなかったという苦い経験があったんです。今年はその反省を活かして、高田さんの想いを共有する機会も設けました。みんなで同じベクトルで進めるように事前に準備できたことが良かったと思います。

高田はい。周りの意見を聞かず一人で突き進んでいたら、成功はなかったと思います。一方で、全体としてのベストを検討・調整することが私の役割です。皆さんの意見を吸収しながらも、自分の中に軸をしっかり持って方向性を示すことが皆さんからの信頼につながると実感しました。

樋口初めて会うカンパニーの方々からいろんな意見が出る中で、高田さんがジャッジして進めていかなければいけない場面も多く、大変な時もあったはず。でもそんな時に加統さんや他のチームメンバーが声をかけ、フォローを入れてくれている姿を見て、いいチームだなと思っていました。

高田周りの方々が引っ張ってくださったので、私もついていくだけではなく、自分ができることはなんでもやろう!と思えました。

03出場者の輝く姿を伝えることが
この大会の意義。
接客の素晴らしさを、
改めて実感。

樋口高田さんは大会を初めてリアルタイムで見て、どう感じましたか?

高田出場者の方々は日頃から努力を重ね、さらに大会に向けて忙しい中で練習を積み、自らの接客を見つめ直して本番に挑んでいます。とても緊張されていたはずなのに、「みなさんの接客を見て、私ももっと成長したいと感じた」と話す前向きな姿を見て、大会を実施する意味があったと実感しました。

加統お互いの接客スキルから学べたことが多かったようですね。受賞者のインタビューでは「店舗のみんなに知識やスキルを共有して、愛される売場を作りたい」「受賞で終わりではなく、スキルアップしてイオンのファンをたくさん作りたい」と意欲的なコメントをいただけて、私もうれしかったです。また、マネージャーや店長、同僚、トレーナーからの応援を受けて出場しているので、一人の力では絶対にここまで来られなかった、という感謝の気持ちも感じられました。

樋口総合の部に対しても、「店舗全体を評価してくれる場ができてうれしい」というフィードバックをいただきました。これを機に、店舗が一体となってサービス向上を目指す気運が醸成されるといいですね。コミュニティ社員(パート社員)や若手社員の出場も多く、中には最優秀賞に輝いた方もいました。日々努力していることは決して無駄ではなく、ちゃんと見てくれる人がいて、必ず評価される。どんな人にもチャンスのある、夢のある職場と感じていただけたのではないでしょうか。

高田そう思います。小売の原点はやはり接客。普段からお客さまを笑顔にしている従業員の方々に全国の舞台でスポットライトを当て、自信をつけていただけたことに大会の意義深さを感じます。私もみなさんの素晴らしい接客を間近で見て、私自身が店舗で感じていた接客の楽しさを思い出しました。こんなに素晴らしい接客をする人たちがいることを伝える場所を、これからも作っていきたいと思いました。

04主体性を持って周りを巻き込む力を身につけ
幅広い世代と刺激を受け合いながら、会社とともに成長を。

樋口今回のベストスキル大会は、運営チームと出場者、みんなの自律と協働が結実した大会だったと思います。私自身もまた、大会全体のマネジメントを経験してその難しさや成功した時の喜びをよりリアルに体感できました。今後大きなイベントのオペレーションを任されたとしても「できる」と思える自信がついたと感じています。メンバーへの信頼感も以前に増して高まりましたね。

加統私も同じです。特に、人材育成部はベテランが多い中、若手の高田さんがプレッシャーを受けて大変な思いをするんじゃないかと心配していましたが、見事にやり遂げてくれました。部署内での信頼感が高まっただけでなく、カンパニーの方々にも刺激を与えてくれたと思います。

高田ありがとうございます。「私が動かないと進まない」という状況で、たくさんの人を巻き込んで全社的なプロジェクトを進めたことは、私にとって本当に大きなチャレンジでした。主体性と責任感が身についたと思います。とはいえ、周りの意見を聞いて瞬時に判断し、柔軟に対応するという臨機応変さはまだまだ。頭を柔らかくして、今後はもっとぐいぐい引っ張っていけるよう成長を続けたいです。

樋口私が高田さんたちの姿から刺激を受けたこともたくさんありますよ。今回のように、若手からベテランまで幅広い人材が一体となってプロジェクトを進めることで、世代を超えて刺激を与えあい、それがお客さまへの貢献になり、さらに会社の成長へと循環していく前向きなエネルギーが生まれ続けることを願っています。